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医師向け診療サポート

月経前症候群 (PMS)の診療について

概要

「月経開始の3-10日位前から始まる精神的、身体的症状で、月経開始とともに減退ないし消失するのも」と定義されている。(日本産婦人科学会)診断基準は米国産婦人科学会のPMSの診断基準を用いる。

疫学

生殖年齢女性の約70-80%が月経前に何らかの心身の変調を自覚し、約半数がPMSと診断される。軽症では治療が必要ではないが、医学的介入が必要な中等症以上は5-8%と言われている。

症状、診断  

日常生活に支障を来すような下記の身体症状、精神症状が1つ以上、毎月月経前にあれば、PMSと診断する。抑うつなどの精神症状を伴う最重症型のPMSとして、月経前不快気分障害(PMDD)も提唱されるようになってきた。

(表1) PMSの診断基準 (米国産婦人科学会)

治療

症状や背景が異なるため、患者希望も尊重しながら、一緒に治療を進めていく。
重症度は本人やこちらの主観で可。また治療法の目安は以下の通りだが、本人希望を優先してよい。

  • 軽症から中等症で、カウンセリングや生活指導、対症療法。
    • 治療希望があれば、低用量ピル(LEP)、漢方薬など。
  • 重症ならSSRI。症状がある時期のみの内服で可。精神症状のみならず身体症状にも有効。PMS/PMDDに対して即効性があり、投与量も少量で済むことが多い。(うつ病に対しては効果発現まで数週間を要することとは対照的)  

必要に応じて、これらの治療法の併用も可。漢方薬の選択については、更年期障害(治療編)を参照。

(表2) PMS/PMDDの処方例 (産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2017)

専門医紹介のタイミング

低用量ピルを使用する場合は、婦人科へ紹介。精神症状が強ければ精神科への紹介を考慮する。

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K K産婦人科
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2021/8/3

問診について

症状のある時期が月経前に集中していることに気付いていないケース、うすうす気付いているが、月経が関与しているとは思っていないケースも多いです。
「たまたま生理前だっただけで、イライラするのはPMSのせいではなく、主人の言動のせいです」などと言う人も多い。全否定せずに受容的に対応しているうちに少しずつ受け入れてもらえます。

治療について

低用量ピルは、血栓症のリスクが話題となっており、喫煙、年齢、高血圧などで禁忌や慎重投与等の注意点があることや、不正出血や消退出血が来ないなどの訴えもあるので、婦人科で処方してもらうのがよいです。

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