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医師向け診療サポート

便秘症の診療について

概要

本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態のこと。いきみ,硬便,残便感,排便困難感,用手的排便介助が必要,自発的な排便回数減少などの症状があることを指します。 直近ではエロビキシバット(グーフィス)が新しい薬(2018年4月薬価収載)となります。

診療スライド

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スライドで診療に必要な情報をすばやく把握できます。
詳細については、下記のドキュメントを参考にしてください。

評価

便秘症の診断基準

以下のうち、2項目以上を満たす。
①排便の4回に1回以上、強くいきむ必要がある。
②排便の4回に1回以上、兎糞状便あるいは硬便が出る。
③排便の4回に1回以上、残便感がある。
④排便の4回に1回以上、直腸肛門の閉塞感あるいは排便困難感がある。
⑤排便の4回に1回以上、用手的な排便介助(摘便、会陰部圧迫など)が必要。
⑥自発的な排便回数が週に3回未満。

慢性便秘症の診断基準

6ヶ月以上前から症状があり、最近3ヶ月間は「便秘症」の基準を満たしている。

鑑別

器質的疾患:大腸癌、大腸・直腸・肛門狭窄、腸閉塞、偽性腸閉塞
代謝疾患:糖尿病、高Ca血症、低K血症、低Mg血症、甲状腺機能低下症、尿毒症
神経疾患:脊髄病変、脳梗塞、パーキンソン病、多発性硬化症
薬剤性:向精神薬、抗パーキンソン病薬、オピオイドなど

検査

下部消化管内視鏡検査・注腸X線検査→器質性疾患の除外

(50歳以上で大腸癌スクリーニングを受けたことがない場合、便柱狭小化、血便、鉄欠乏性貧血、体重減少、最近発症した便秘などを認める場合は、積極的に内視鏡検査を行う)

血液検査・尿検査・便潜血

 RBC、Hb、血清BUN、血清Cre、血清Ca、血清K、CRP、赤沈
 尿糖、血糖、HbA1c
 遊離T3、遊離T4、甲状腺刺激ホルモン(TSH)
 副甲状腺ホルモン(PTH)
 便潜血

腹部X線検査→腸閉塞や結腸軸捻転の除外

 腸管の位置異常や拡張、腸管内容物の評価、鏡面像の有無などを確認

治療

薬物療法

第1選択薬→浸透圧性下剤(酸化マグネシウム、ラクツロース)、上皮機能変容薬(ルピプロストン、リナクロチド)
第2選択薬→刺激性下剤(センノシド、センナ、ビスコスルファートナトリウム 頓用で使う)

 (3)から引用
また他に
エロビキシバット(グーフィス®) 1日1回食前10-15mg
*胆汁酸トランスポーター阻害薬。耐性を生じない。蠕動活動up+腸内水分up。腹痛や下痢がでることがある。LDL低下作用がある。
ナルデメジントシル酸塩(スインプロイク®)1回0.2mgを1日1回の経口投与
オピオイド誘発性便秘症治療薬。消化管のµオピオイド受容体を拮抗することでオピオイド鎮痛薬の副作用の便秘症状を改善する。
*血液脳関門(BBB)の機能が脳腫瘍などで損なわれている場合は、脳のμオピオイド受容体も拮抗するので鎮痛作用も減弱してしまう可能性がある。

生活習慣指導

食物繊維の摂取、朝食の摂取、十分な睡眠、適度な運動 

さらに

高齢者や腎機能低下例にマグネシウム含有の下剤を使用する場合は、血清マグネシウム値のモニタリングが必要。

専門医紹介のタイミング

内視鏡による精査が必要と判断した場合や、一般的な便秘薬による治療への反応が乏しい場合は専門医へ紹介。

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F T消化器内科
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2021/7/18

治療について

  • 自分が処方する時はマグミットを始めに処方して、効果が乏しい場合はリンゼスを追加しています。
  • 薬によって薬価がかなり違うので処方の際に考慮しています。(2021年の薬価 マグミット 330mg 1錠 5.7円、リンゼス 0.25mg 1錠 83.6円、アミティーザ 24μg 1CP 116円)

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