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膀胱炎の診療について

概要

感染症、放射線、薬剤などによって膀胱の粘膜に炎症が起こった状態を指すが、それらのうち細菌感染症によって生じた膀胱炎のこと。

診療スライド

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スライドで診療に必要な情報をすばやく把握できます。
詳細については、下記のドキュメントを参考にしてください。

リスク

  • 女性(尿道が短いため細菌が入りやすいと考えられている。)
    • 女性の中でも尿道の開口部位や肛門との位置関係によって膀胱炎の発症頻度が異なる。
  • 閉経、性交渉、排尿障害、尿路結石などもリスクに

鑑別

  • 膀胱癌

細菌性膀胱炎として抗菌薬を投与され一時的に改善したものの、実は膀胱がんであったという症例が散見される
6か月以内に2回以上膀胱炎を繰り返す、または3回以上膀胱炎を繰り返す場合は膀胱がんの可能性も念頭に

  • 尿路結石(膀胱結石・下部尿路結石)

膿尿や細菌尿がみられても、ただちに細菌性膀胱炎であるというわけではなく、結石によって膀胱刺激症状が出ることも。

  • 腎盂腎炎
  • 前立腺炎
  • 放射線性膀胱炎(照射歴ある場合)
  • 薬剤性膀胱炎

問診・症状

膀胱刺激症状(頻尿・排尿時痛・残尿感)
尿の色 / 尿のにおい
肉眼的血尿の有無
膀胱炎治療歴 / 尿路結石の既往
放射線照射歴 / 腹部手術歴
服薬歴
神経疾患の有無 / 糖尿病の有無
性交渉歴 / ウォシュレットの使用有無など。

身体所見

膿尿や血尿を認めることがある。

検査

尿検査、尿培養検査、残尿検査、エコー検査など。

治療

  • 抗菌薬加療

ニューキノロン系、セフェム系、バクタ、ユナシン、オーグメンチンなどが用いられる。
近年は薬剤耐性化の問題から、ニューキノロン系の使用は避けられる傾向にある。
また、第三世代セフェム系抗菌薬は吸収率が悪いため、使用が推奨されない。

  • 飲水とこまめな排尿
  • 陰部を清潔に保つことや、性交渉の方法を見直すことも時には大切。
  • ウォシュレットは正しく使う(女性は排尿後は使用しないなど )

フォローアップ

繰り返す膀胱炎に対しては、抗菌薬を3-7日間程度投与し、その後しばらくあけてから再度尿検査、尿細胞診検査、エコー検査を行い、膀胱がん、膀胱結石、前立腺肥大などの有無を評価する。

専門医紹介のタイミング

下記のような場合は専門医への紹介を要する。
・膀胱炎を繰り返す場合
・激しい肉眼的血尿を伴う場合
・重症の腎盂腎炎を併発している場合
・重症の前立腺炎を併発している場合
・解剖学的異常が併存する場合

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伍木 脩泌尿器科
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2021/7/22

検査について

膀胱炎は繰り返す場合、何らかの器質的疾患が隠れているケースがあり、注意が必要です。

治療について

抗菌薬については議論のあるところですが、むやみにニューキノロン系や第三世代セフェム系を用いるのではなく、第一・第二世代セフェム系、オーグメンチン、ユナシン、バクタなどが用いられるようになってきています。

フォローアップについて

典型的な初発の急性膀胱炎については、必ずしもフォローアップは必要でないケースもありますが、繰り返すようなら精査が必要なケースもあることは話しておいた方がよいでしょう。

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