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一過性脳虚血発作(TIA)の診療について

概要

一過性脳虚血発作はABCD2スコア / 心疾患 / 頸動脈狭窄 / DWI評価が重要です。

診療スライド

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スライドで診療に必要な情報をすばやく把握できます。
詳細については、下記のドキュメントを参考にしてください。

疫学

心原性、アテローム性、ラクナがそれぞれ約30%ずつ。

リスク

高血圧、喫煙歴、脂質異常症、糖尿病など動脈硬化のリスク因子と同様。

症状

  • 一過性に片側脱力、言語障害、視野障害などの局所神経症状を示し、その神経徴候が24時間以内に消失する
  • 構音障害、麻痺、失語、一過性黒内障、同名半盲、感覚障害
  • *めまいや意識消失は非典型的だが椎骨脳底動脈系の症状としてありうる

鑑別

  • 低血糖
  • ナルコレプシー
  • カタレプシー
  • 周期性四肢麻痺
  • 大動脈解離(tPAしない)
  • 脊髄硬膜外血腫(tPAしない)
  • 前大動脈症候群(下肢の症状のとき)
  • 末梢神経障害・神経根障害
  • 単肢の症状でも脳梗塞の可能性がある
  • ギランバレー
  • 薬剤性筋障害(Mgなど)
  • 前兆のある片頭痛·片麻痺性片頭痛
  • てんかん発作
  • 一過性全健忘
  • メニエール症候群
  • 過換気に関連した感覚症状
  • 低血圧に伴う失神·失神前状態

検査

  • 心電図(Afの確認)
  • 頸動脈エコー
  • MRIによる拡散強調画像(DWI)

治療

①発症48時間以内
②発症48時間~7日でABCD2スコア4点のTIAを繰り返す(ABCD2スコア計算機
③DWI病変
④頸動脈や頭蓋内主幹動脈の狭窄
⑤心房細動
のいずれかがあれば入院し、経過をみる(数時間の間に症状が進行することがある)

非心原性

TIA発症48時間以内の場合はアスピリン160mg-300mg/日
ABCD2スコア4点以上の高リスク例にはアスピリンとクロピドグレルの投与(初日300mg/day→翌日以降75mg/day)が虚血性脳卒中を減らす。(出血リスクは上がります)

心原性

Direct Oral Anti Coagulantsやワルファリンを考慮する

さらに

  • 血圧管理にエビデンスはないが動脈狭窄があれば降圧は注意する
  • 脂質異常症や頭蓋内外動脈狭窄があればスタチンで治療開始してもよい
  • 頸動脈や頭蓋内動脈高度狭窄があれば脳神経外科にコンサルトする(50%以上の狭窄についてTIA発症2週間以内のCEAが考慮されるため)
  • 心内血栓があれば心臓血管外科にコンサルトする

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匿名神経内科
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2021/5/8

症状について

  • 失神だけでなく、実は意識障害も起こします(中脳の場合。Weber症候群みたいになる。)。その際は眼球偏移が生じます。

検査について

  • (StanfordA型解離によるかどうかで)造影CTをとるかは、頚部〜胸背部の痛みや血圧の左右差・レントゲンでの縦隔拡大なければCT撮像はしていないです。
  • 高血圧や脂質異常症や糖尿病などのフォローがきちんとなされているかも注意点です。

フォローについて

  • 患者と家族へのICについて、それがまずい麻痺に進行したりする可能性についてきちんとICすることが大事(特に、動脈硬化リスク因子など有る場合、想定している血管より中枢の狭窄などで生じていることがある→翌日に中枢部がさらに進行し広範に症状出現するなどありうる)
  • 「診察時に若干症状残っている」などあれば、それはもはやTIAじゃなく脳梗塞です。明確に診察で判断するのは一般内科医としては難しい・・・と思います。

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