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QT延長症候群(二次性)の診療について

最終更新日時
参考ガイドライン
・文献等

概要

補正QT間隔(QTc=QT/√RR、Bazett式)が440 msec以上のこと。被疑薬など確認することが重要。

先天性QT症候群についてはコチラを参照してください

症状

Torsade des Pointes(TdP、トルサード・ポワン)に伴い、下記を認めることがある。
動悸 / めまい / ふらつき / 失神 / 痙攣 / 心停止

診断

12誘導心電図でQTを計測*Bazett式でのQTc計算 でQTc≧440msec

QTの間隔の計測の仕方について。T波の下降部に接線をひき、それと基線がまじわるところとQの間隔をはかる

ニ次性の原因について確認する

QT延長をきたしうる内服がないか確認する

QT延長を起こす薬剤について 抗不整脈薬	Ia :キニジン / ジソピラミド / プロカインアミド / シベンゾリンなど 	Ic群:プロパフェノン / フレカイニドなど 	III群:ソタロール / ニフェカラント / アミオダロンなど 中枢神経系用薬	イミプラミン /  アミトリプチリン /  ハロペリドール /  クロルプロマジン /  ピモジド /  チオリダジン 抗菌薬	エリスロマイシン,クラリスロマイシン /  キノロン系 /  ST合剤など 抗真菌薬	イトラコナゾールなど 抗ヒスタミン薬	ファモチジン /  テルフェナジンなど 脂質異常症治療薬	プロブコール
*高齢・肝機能低下・腎機能低下(薬剤の代謝・排泄機能の低下)はリスクを高める。

徐脈の有無を確認する
電解質異常を確認する

  • 低K、低Mg、低Ca

他疾患の有無を確認する

  • 心疾患(急性心筋梗塞急性期、たこつぼ心筋症など)
  • 脳卒中,クモ膜下出血,脳出血
  • 甲状腺機能低下症
  • 神経性食欲不振症
ざっくり、RR間隔の半分以上の長さのQTだと、長いな、と思います。(頻脈や徐脈のときはこの限りではないですが)
症状やQTc>500msec、高度徐脈や心電図変化などない場合は落ち着いて被疑薬がないか確認したり、原疾患ないか精査します。
逆に症状やQTc>500msec、高度徐脈や心電図変化などある場合は、点滴から薬を静注しながら、一時ペースメーカーの留置、時に緊急カテーテル検査など行います。(循環器内科 白石 達也)

治療

リスクの評価

以下にあてはまる場合、電気的除細動がすぐ行える環境下でモニター観察を。

  • 失神あるいは前失神症状がある
  • QT>500 msec,又は平常から60 msec延長 *QTc≧500msecはTdPのリスク高くなる
  • 心室期外収縮やT波の変化を伴う
  • 高度徐脈(洞徐脈,洞房ブロック,洞停止,房室ブロック)
  • 心室内伝導遅延(QRS幅延長)

硫酸Mgの静注

  • 心停止例は2 gを1~2分で静注。それ以外は2 g15分以上かけて静注

一時的ペースメーカーでのオーバードライブペーシング(HR ≧ 70 bpm)

  • イソプロテレノール静注、硫酸アトロピン静注もブリッジとして使用を考慮する

血清K値の補正

  • 4.5~5.0 mEq/mLになるよう補正

Ib群抗不整脈薬を使用する(リドカイン)
被疑薬の除去
原疾患の治療

  • 電解質異常や心疾患、頭蓋内疾患などある場合
オリベス1%点滴液 6~12ml/hrで使用します(参考
硫酸Mgは静注用マグネゾール20mlは硫酸Mg水和物 2g、硫酸Mg補正液20mlで硫酸Mg水和物2.46g など採用があるものを1管使用しています。
シンビット(ニフェカラント)でQT延長▶TdPになるときは30分~1時間程度で収まる印象です。(循環器内科 白石 達也)

さらに

潜在性LQTSが強く疑われ遺伝子検査を進めるべき状況

①40歳未満での発症
②後天的要因がない状態でのQTcが440 msec超
③VTなどによる症状あり
のうち2つ以上が陽性の場合

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