Genpaku
Genpaku
医師向け診療サポート

急性冠症候群の診療について

最終更新日時
参考ガイドライン
・文献等

概要

疑いの時点で即コンサルトが必要。 冠動脈プラークの破綻とそれに伴う血栓形成により、冠動脈の血流障害を生じ、心筋虚血・壊死に陥る病態。

診療スライド

Loading PDF…
スライドで診療に必要な情報をすばやく把握できます。
詳細については、下記のドキュメントを参考にしてください。

症状

  • 頸部・肩・顎等に放散する胸痛、胸部重苦感
  • 20分以上持続する、冷汗など伴う強い胸痛

注意

  • 30%程度は無痛性とする報告も有
  • 糖尿病や高齢者:症状が軽微・無症状である事も
  • 息切れ、倦怠感、食思不振、失神や意識レベル低下といった症状のみのこともある

検査

心電図、胸部レントゲン、心筋バイオマーカー含めた採血検査、心エコーで診断を行う

心電図

バイオマーカー

  • 急性心筋梗塞の臨床診断において、心筋障害を示すバイオマーカーの上昇は必須
  • トロポニンT/I,CK,CK-MB,ミオグロビン,H-FABP等

注意点

  • 発症早期や非発作時は心電図所見やバイオマーカー上昇が明確でない。
  • 心電図や症状から心虚血が疑われる場合には早期血行再建治療を優先し、診断確定のため治療を遅らせてはならない
  • 悩ましい場合は1時間後再評価など検討

診断

  • 心電図、心筋バイオマーカー、心エコー、レントゲンなどの検査にて診断を行う
  • 診断確定はカテーテル検査

治療

初療

  • 酸素投与(SpO2<90に対し)
  • ニトロ舌下orスプレー(血圧<90mmHg、HR <50bpm、HR>100bpm、右室梗塞合併、ED治療薬内服患者は避ける)
  • ニトロで改善しない胸痛にはモルヒネ(2~4mgずつ投与)
  • 抗血小板薬(アスピリン162~200mg、アスピリンアレルギーならチエノピリジン系)
    • PCI時はアスピリン162~325mgと、クロピドグレル300mgまたはプラスグレル20mgを投与

血栓溶解療法(ST上昇ない場合は奨められない)

  • 発症12hr以内 2時間以内にPCIを行えない場合
  • 発症12~24hr  PCI行えないかつ広範囲虚血か血行動態不安定の場合

*75歳以上は通常の半量投与を考慮

カテーテル治療(接触から90分以内の再灌流が目標)

  • 病変形状などから手術など検討

攣縮性狭心症による場合は薬物加療
たこつぼ心筋症・心筋炎は入院・経過観察

専門医紹介のタイミング

疑った時点でコンサルト・紹介が必要。

  • 救急室以降
    • 緊急カテーテル検査・手術が実施される
    • 最初の医療従事者の接触(救急隊接触、病院受診時等)から90分以内に再灌流させることが目標とされるため、迅速な診断とスムーズな連携が治療のカギとなる。

ナレッジシェア

Genpaku公式ドクターのみが投稿できます
白石 達也循環器内科
Verified
2021/5/8

各種薬の使い方

  • 抗血小板薬のloading アスピリン200mg+プラスグレル20mg
  • モルヒネ塩酸塩注(10 mg/1 mL)をブドウ糖か生理食塩水で10 mLに希釈して2 mLずつ投与。
  • 硝酸薬 ミオコールスプレー 1~2プッシュ程度(右室梗塞や血圧低下あるときはしません)

緩和治療となる場合はモルヒネ持続での使用など考慮

  • 皮下注:モルヒネ塩酸塩注(50mg/ 5mL)+生食5mL で合計10mLにして0.05mL/hr~0.4mL/hrを0.05mL刻み (参考
  • 静注:モルヒネ塩酸塩注5mL(50mg/ 5mL)+生食45mL /合計50mLにして0.5mL/hr~5.0mL/hrを0.5mL/hr刻み (参考
小鷹 悠二循環器内科
Verified
2021/5/8
  • いかに早く診断し、治療に結び付けるかが大切なため、症状・心電図で疑った際には、採血結果を待たずに連絡する必要がある。
  • 心筋梗塞の原因が大動脈解離であることも稀ならずあるため、胸部レントゲンや心エコーのチェックは必須(バイタルが安定していれば単純CTなどで解離の有無を確認する必要がある場合もある)。
  • 無症状、症状が軽微・非典型的な症例もおり、心電図検査は積極的に実施するべき。
白石 達也循環器内科
Verified
2021/5/21

血栓溶解療法(STEMI)

アルテプラーゼ(アクチバシングルトパ

  • 29万~43.5万 IU/kg(0.5mg/kg~0.75mg/kg)を静脈投与
  • 総量の10%は1~2分で急速投与し残りを1時間で。

*手押しで10%をIVして残量をシリンジポンプで1時間で。

モンテプラーゼ(クリアクター

  • 27500 IU/kgを静脈投与
  • 1mlあたり80000 IUとなるように調整し、10ml / minで投与。

*40万単位のバイアルなら5ml、80万単位バイアルなら10mlの生理食塩水で溶解して、全量をシリンジポンプで60ml/hr。

【絶対禁忌】 
頭蓋内出血の既往 / 6ヶ月以内の脳梗塞 / 頭蓋内新生物・動静脈奇形 / 最近の外傷・手術・頭部外傷 / 1ヶ月以内の消化管出血 / 活動性出血 / 大動脈解離
【相対禁忌】
絶対禁忌に属さない脳血管障害 / 抗凝固療/法中 / 妊娠中~出産1ヶ月以内 / コントロール不良の高血圧 180/110mmHg以上 / 肝疾患 / 活動性消化管潰瘍 / 長時間の心肺蘇生

循環器内科」のほかの記事

無断複写・転載を禁じております
利用規約
©Genpaku