心電図からタイプを判定し、タイプ1については症状歴など加味して電気生理学的検査などを考慮する。またタイプ2でも症状歴などを加味して、タイプ1への変化がないか負荷試験を考慮する。

心電図所見(疑った際は1〜2肋間上など高位の肋間でも検査

V1〜V3誘導において

  • タイプ1(coved型)は、ST上昇と陰性T波を示す
  • タイプ2(saddle back型)は、ST上昇を示し、STの終末部(トラフ)が1mm以上
  • タイプ3(coved型あるいはsaddle back型)は、ST上昇を示し、ST終末部が1mm未満

Brugada心電図の波形・所見です。Type1はdown slope型のST上昇です。最高点は2mm以上になります。type2がsaddle back型、馬の鞍のような形になります。鞍のようになっている部分が基線から1mm以上高いことが条件です。Type3は馬の鞍のような形ですが、特に鞍の部分は1mm以上でないものです。

負荷試験(タイプ2や3がタイプ1に変化するか確認する)

  • 薬剤負荷試験
    • ⅠaあるいはⅠc群のNaチャネル遮断薬を使用し判定
    • ピルジカイニド(1mg/kgを10分で静注)、フレカイニド(2mg/kgを10分で静注)、プロカインアミド(10mg/kgを10分で静注)など
  • 運動負荷試験
  • 経口糖負荷試験

電気生理学的検査(心室細動誘発性の確認など)

自然発生タイプ1 心電図で原因不明の失神がある症例はグレードlla。自然発生タイプ1 心電図で無症候性であっても、考慮すべきその他の臨床所見(年齢,性別,家族歴など),その他の心電図異常所見(QRS 棘波, J波など),SCN5A 遺伝子変異を有する症例ならグレードIlb。12ヵ月以上の余命が期待できない症例はグレードC。精神障害などで治療に際して本人の同意や協力が得られない場合はグレードIII

遺伝子検査について

SCN5A変異が予後予測に有用との報告もあるが、わが国においては現在保険適用外

報告のあるリスク因子

  • 加算平均心電図陽性(3つのパラメータのうち2つが+)
  • 自然発生のタイプ1のST上昇
  • 右胸部誘導、下側壁誘導で認められるQRS棘波(fragmented QRS)
  • 下壁・側壁誘導での早期再分極合併
  • I誘導でのS波(0.1mV以上、あるいは / かつ幅が40msec以上)
  • aVR誘導での著明なR波(0.3mV以上の波高、あるいはR/q比0.75以上)
  • V1誘導でのRJ間隔(S波幅)延長(90msec以上)
  • V1誘導での陰性T波高増大(-105μV以上)
  • 胸部誘導でのQT間隔とQ波からT波最大までの時間の差(Tpeak-Tend間隔[Tp-e]>100msec)とそのばらつき(Tp-e dispersion>20msec)
  • V2誘導でのQRS幅の延長(90msec以上)255)あるいはQTcの延長(>460 msec)
  • V6誘導でのQRS幅の延長(90msec以上)
  • QRS幅の延長(120msec以上)

鑑別として念頭におくもの

近しい波形をきたしうる疾患として下記が挙げられる

  • 非定型右脚ブロック
  • 左脚ブロック
  • 左室肥大
  • 急性心筋虚血(とくに右室)
  • 急性心膜炎・心筋炎
  • 解離性大動脈瘤
  • 肺塞栓症
  • 高K血症
  • 不整脈原性右室心筋症(ARVC)
  • 早期再分極症候群(ERS)
  • 異型狭心症
  • 低体温
  • 漏斗胸
  • 右室流出路を灌流する円錐枝・右室枝