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抗ヒスタミン薬の使い分けについての診療について

最終更新日時
参考ガイドライン
・文献等

概要

世代や薬ごとの注意点、構造などを理解して使い分ける

基本事項

抗ヒスタミン薬は第1世代と第2世代に分類される。基本的な構造は同じ。

第1世代

脂溶性が高く、中枢移行しやすく眠気が起こる。
H1受容体選択制が低く、ムスカリン受容体やセロトニン受容体に結合し口渇や食欲増進を起こす。

第2世代

中枢抑制が少なくなり、眠気を起こしにくい。
H1受容体に対する選択性が高くなり、副反応がへり使いやすくなった。

(1)より

使用の注意点

  • 非鎮静性薬でも、特に高齢者ではふらつき、転倒などを起こすことがあるため、少量から投与を開始するなど慎重な対応が必要である。
  • 眠気だけでなく、インペアードパフォーマンス(薬剤の脳移行による集中力、判断力、作業能率の低下)が起こりうる。
    • そのため特に自動車運転をする患者に対して注意喚起を行う必要がある
  • 添付文書上、自動車運転等の危険操作に関する注意喚起を必要としない

第2世代抗ヒスタミン薬は、2021年7月現在

  • デスロラタジン(デザレックス®︎)、ビラスチン(ビラノア®︎)、フェキソフェナジン塩酸塩(アレグラ®︎)、ロラタジン(クラリチン®︎) 4剤のみである。
  • レボセチリジン塩酸塩(ザイザル®︎)、セチリジン塩酸塩(ジルテック®︎)、オロパタジン塩酸塩(アレロック®︎)、ケトチフェンフマル酸塩(ザジテン®︎)、ルパタジンフマル酸塩(ルパフィン®︎)は、「自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること」と記載されている。
  • オロパタジン塩酸塩(アレロック®︎)、セチリジン塩酸塩(ジルテック®︎)、フェキソフェナジン塩酸塩(アレグラ®︎)、ベポタスチンベシル酸塩(タリオン®︎)、レボセチリジン塩酸塩(ザイザル®︎)は腎機能によって用量調節が必要

実際の使い方

慢性蕁麻疹(じんま疹/じんましん)治療を中心に。

  • 重症度にもよるが、まず単剤、通常量で非鎮静性の抗ヒスタミン薬を処方する。
  • 倍量投与は副作用に注意が必要だが効果不十分な場合試みてよい。
  • ビラスチン(ビラノア®︎)、デスロラタジン(デザレックス®︎)の倍量投与は認められていない。
  • 効果が乏しい場合、他剤に変更すると奏功することがある。
  • 2種類の併用は実臨床では用いられるが、明確なエビデンスはない。


(2)より

構造による使い分け

エビデンスはないが、効果が乏しく抗ヒスタミン薬を変更・併用する際は、違う構造のものを選ぶことが多い。
第2世代抗ヒスタミン薬は、大きく①三環系 ②ピペリジン骨格を持つもの③ピペラジン骨格を持つもの に分類される。
三環系
アレロック®︎、アレジオン®︎、クラリチン®︎、デザレックス®︎ルパフィン®︎
ピペリジン骨格
ビラノア®︎、エバスチン®︎、アレグラ®︎、タリオン®
ピペラジン骨格
ジルテック®︎、ザイザル®︎

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宮村 智裕内科一般
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2021/7/17

治療について

眠気

  • 若い方など車の運転をする方もおり、眠気の少ないものから選ぶ。
  • 第1世代の抗ヒスタミン薬は眠気が強いのが難点ですが、逆手にとって夜痒みが強い場合、眠前に併用してもらうことも。

タイミング

  • 1日1回ですむものは、飲み忘れしにくく使いやすい。
  • 1日1回内服のものでも、日中痒いのか?夜かゆいのか?などを確認し、朝内服させるのか、夜内服させるのかなどを検討します。

フォローアップ

  • 個人によって効果が異なるので、特に症状が強い場合は数日から1週間毎に来院してもらい薬の効果が十分か確認します。必要であれば製剤の変更や倍量投与を早めに検討します。
  • その際はふらつきや眠気の持ち越しがないか確認が必要です。

その他

  • 多種の抗ヒスタミン薬が発売されていますが、まず何種類か自分が

使いやすい製剤を決めておくといいでしょう。
(三環系、ピペリジン、ピペラジンからそれぞれ2剤程度、等)

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