Genpaku
Genpaku
医師向け診療サポート

MCL損傷(内側側副靱帯損傷)の診療について

最終更新日時
参考ガイドライン
・文献等

概要

MCLは膝の内側にある広範囲に大腿骨と脛骨をつなぐ頑丈な靱帯であり、この損傷は最も一般的な靱帯損傷の一つである。

疫学  

好発年齢は20-40歳代のスポーツ愛好家

リスク 

  • コンタクトスポーツや素早いターン、急停止を伴うスポーツ
  • バスケットボール、サッカー、スキー、柔道、レスリング、水泳など

鑑別 

  • 内側半月板損傷
  • 膝関節周囲骨折
  • 変形性膝関節症
  • 特発性大腿骨内顆骨壊死

問診  

  • スポーツ歴や膝関節を外反する受傷歴、転倒歴の有無
  • 断裂音を聴取したか
  • 荷重時痛や屈曲時の疼痛増強

身体所見

  • 内側関節裂隙周囲の圧痛
  • 膝関節の腫脹(軽傷では生じないこともある)
  • 膝関節屈曲制限(疼痛誘発による)
  • 軽度屈曲(20-30度)での外反ストレステストで、関節裂隙が開大するかどうか。

上記所見から以下のグレード分類がある。

I度:靱帯部での圧痛が主であり、動揺性が無い。

II度: 30°屈曲位で外反動揺性はあるが、伸展位での動揺性なし。

III度: 30°屈曲位で外反動揺性および伸展位での動揺性がある。

検査

  • X線検査:

骨折や完成した骨壊死の鑑別に有効。

外反ストレスで損傷程度の分類は陳旧性では有用だが、新鮮例では疼痛が強く、筋性防御も働くため不正確になりやすい。

  • MRI検査:MCL損傷の診断に有用。T2で高信号になる。内側半月板損傷との鑑別や、前十字靭帯損傷の合併なども評価可能。X線検査で明瞭ではない骨折や骨壊死の評価も。

治療

  • MCL単独損傷については保存加療が原則。シーネ固定や膝関節装具の使用を検討。
  • 数週間の保存加療の後、外反不安定性が残存する場合には手術加療を検討。
  • 前十字靭帯等その他靱帯との複合損傷や骨折合併には、それらの手術を行うことがある。

専門医紹介のタイミング

グレードIII以上では複合靱帯損傷の可能性があり、手術必要性を検討。

グレードI,IIで6週ほどの保存加療でも不安定性が残存する例。

整形外科」のほかの記事

無断複写・転載を禁じております
利用規約
©Genpaku