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医師向け診療サポート

手術前後の抗血小板薬について(虚血性心疾患)の診療について

概要

手術の出血と、血栓症のリスクから対応を決める

STEP1. 手術の出血リスクはどれになるか

マイナー出血リスク

  • 体表手術、抜歯

低出血リスク

  • 白内障
  • 乳腺針生検
  • 通常消化管内視鏡、内視鏡的逆行胆管造影

中出血リスク

  • 緑内障・硝子体手術
  • 乳腺切除
  • 耳鼻・咽頭喉頭・頭頚部手術、心臓デバイス植込、血管内治療、アブレーション治療
  • 内視鏡的粘膜生検、出血低リスクの消化管内視鏡(バルーン内視鏡、膵胆管ステント)
  • 経尿道的手術
  • 関節鏡下手術

高出血リスク

  • 頭頚部癌再建術
  • 出血高リスクの消化管内視鏡、経皮的ラジオ波焼却術、超音波内視鏡下穿刺吸引、 肝生検
  • 気管支鏡下生検、硬膜外・脊髄クモ膜下麻酔、開頭・脊髄脊椎手術、頸動脈内膜剥離術
  • 胸部・腹部・骨盤内外科手術
  • 乳がん手術
  • 整形外科的手術
  • 下肢動脈バイパス術

STEP2. 血栓のリスクはどの程度か

PCI治療後の時期による手術時期の推奨

  • 薬剤溶出性ステントの場合、6ヶ月以降が推奨。3~6ヶ月以降も考慮可。
    • 後述するリスクがある・リスクスコアが高い群は特に6ヶ月以降
    • 後述するリスクが無い・リスクスコアが低い群は3~6ヶ月でも十分考慮可、1~3ヶ月も早期手術が望まれる場合は考慮される。
  • ベアメタルステントの場合、3ヶ月以降が推奨。1~3ヶ月以降も考慮可。
  • 薬剤溶出性バルーンの場合、3ヶ月以降が推奨。1~3ヶ月以降も考慮可。
  • バルーン拡張のみ(薬剤なし)の場合、1ヶ月以降が推奨。半月~1ヶ月も考慮可。

背景因子と手技によるリスク

CREDOーKyoto血栓リスクスコア(計算機
および下記の項目を考慮

  • ステント血栓症の既往(十分な抗血小板療法下でのものによる)
  • 第1世代 DES(Cypher, Taxus)
  • 心筋梗塞による治療であった
  • complex PCI(3 本以上のステント留置,3 病変以上のステント治療,分岐部 2 ステント,総ステント長 60 mm 超,慢性完全閉塞へのステント留置)
  • 糖尿病合併例のび漫性病変
  • CKD(クレアチニン・クリアランス< 60 mL/ 分)

STEP3.出血リスクと血栓リスクから抗血小板薬休薬判断

*P2Y12I:クロピドグレル / プラスグレル / チカグレロル

マイナー~低出血リスク

  • 血栓リスク低
    • アスピリンのみ継続 / P2Y12I中止
  • 血栓リスク高
    • 手術延期で血栓リスク低になるならば延期の上、リスク低と同様
    • 手術延期でも血栓リスク変わらないなら、アスピリン・P2Y12I継続

中出血リスク

  • アスピリンのみ継続 / P2Y12I中止

高出血リスク

  • 血栓リスク低
    • アスピリンとP2Y12Iどちらも中止
  • 血栓リスク高
    • 手術延期で血栓リスク低になるならば延期の上、血栓リスク低と同様
    • 手術延期でも血栓リスク変わらないなら、アスピリンのみ継続 (胸部外科・脊髄・頭蓋内・後腹膜などは血栓リスク低と同様)

休薬期間

  • アスピリン休薬 7日前
  • プラスグレル休薬 7日前
  • クロピドグレル休薬 5日前
  • チカグレロル休薬 5日前

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