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大動脈弁閉鎖不全症の診療について

最終更新日時
参考ガイドライン
・文献等

概要

手術適応を把握し適切にフォローアップを

症状

  • 無症状であることも多い
  • 非代償期となると心不全を呈する
  • 急性ARの場合、急激に心不全をきたすことがある。

身体所見

  • 拡張期雑音と心尖拍動の外側変位,二峰性頸動脈波,脈圧の増大

鑑別

  • 一次性
    • 先天性弁形態異常:二尖弁、一尖弁、四尖弁
    • 先天性疾患による基部の拡大
      • 結合織疾患:Loeys Dietz症候群,エーラス・ダンロス症候群、マルファン症候群,骨形成不全症
      • 大動脈弁輪部拡張症
  • 二次性
    • 弁輪の異常
      • 加齢変性
      • IE
      • リウマチ性
      • 弁尖逸脱
      • 心室中隔欠損症に伴う弁の嵌入による変性
      • 放射線
      • 薬剤性,カルチノイド
    • 外傷
  • 基部の拡大
    • 高血圧による拡張
    • 自己免疫性疾患
    • 大動脈炎
    • 大動脈解離
    • 外傷

検査

重症度は逆流jetのサイズやPHTなどで計測。
手術適応を考える上で、左室径も重要。


(1)より引用

治療

手術

基本的には重症ARにおいて、症状の有無・EF・左心室径から適応を判断 
*上行大動脈置換術・CABGや他開心術を行う場合は、重症ARの場合は推奨クラスI、中等症ARの場合でも推奨クラスIIa
*弁形態異常やマルファン症候群などの場合、大動脈の拡大(≧50mmなど)に対して手術を考慮する

(1)より引用
BSAの計算

(1)より引用

内科的加療

  • 血圧コントロール(収縮期血圧 <140 mmHg)が重要
  • Ca拮抗薬 / ARB / ACE阻害薬を使う。
  • β遮断薬は心拍数低下による一回心拍出量増加に伴い収縮期血圧上昇の恐れもある。

フォローアップ

  • 重症AR(手術適応にならない無症候性):半年〜1年に1回の心臓超音波
  • 中等症AR:1~2年に1回の心臓超音波
  • 軽症AR:3~5年に1回の心臓超音波

*初回診断時や左室拡大やEF低下ある場合は3~6ヶ月間隔でのフォローが望ましい

専門医紹介のタイミング

中等症以上や、心不全をきたしている場合

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白石 達也循環器内科
Verified
2021/5/16
  • 急性のARは計測値が重症でないようにみえることがあります。IEに伴うARによる急性心不全で、入院当日はARが不明瞭で、翌日の計測で明確に重症という方がいました。

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