単剤の降圧薬で目標を達成できる割合は4割未満と報告されており高くない。要因が隠れていないかを確認しつつ増量を考慮する。

降圧薬の増量について

積極的適応・禁忌に注意しながら、単剤少量→少量の2剤併用あるいは単剤常用量→常用量での2剤併用→3剤併用などと増量する。
種類の異なる降圧薬を少量併用するほうが降圧効果が良好であると言われる。

治療抵抗性高血圧について

定義:利尿薬を含む3剤のクラスの異なる降圧薬を用いても目標血圧にならないもの

要因を考慮する

  • 食塩摂取過剰 / 肥満 / 飲酒
  • 服薬アドヒアランス
  • 白衣高血圧
  • 睡眠時無呼吸症候群や原発性アルドステロン症など
  • 体液量の増加
  • ストレス
  • 他薬剤による降圧薬の効果減弱
生活習慣の是正にしろ、内服の遵守にしろ患者(本人は患者という認識もないくらい)が「なぜ高血圧がまずいのか?なぜ高血圧の治療を自分がしないといけないのか?」についてよく理解してもらうことが重要です。なぜ高血圧を治療するのか、ひいてはなぜそのために塩分を制限したり、薬を飲まないといけないのか。どのように心臓や脳の血管への問題になるか。血圧測定にしろ、生活習慣にしろ、内服にしろ、少しずつ取り組んでもらうことが多いです(まず血圧をはかることから、まず外食を一回減らすことから、内服は一日一回程度から、など)
(循環器 白石達也)

薬物治療の強化について

  • 増量、あるいは服薬法の変更(1日1回→1日2回など)
  • MR拮抗薬やα遮断薬、αβ遮断薬、β遮断薬の追加 など
  • 腎交感神経デナベーションの考慮

降圧速度について

脳心血管病発症リスクが高い患者においては降圧スピードが疾患発症に影響したと報告あり、数週以内に達成することが望ましい。

日内変動について

単剤単回投与の場合24時間降圧効果が続くわけではない。
家庭血圧の複数タイミングでの測定や24時間血圧測定を参考に、内服タイミングの変更や複数タイミングでの内服を検討する。

全例に24時間血圧測定は難しいので、家庭血圧を朝1回、夕~眠前あたりに1回はかってもらってその推移をみるようにしています。夜はしっかり下がっているのに朝になると高血圧になっているような人は朝の内服を増やすより眠前に内服してもらったりします。
(循環器内科 白石 達也)

季節変動について

夏季に血圧が低下する場合の減量や冬季に上昇する際の増量など考慮してもよい。

降圧薬の中止について

減量もしくは中止した場合、多くは6ヶ月以内に再上昇することが多い。
休薬後に正常血圧を維持できる患者の特徴としては、
Ⅰ度高血圧 / 若年者 / 正常体重 / 低塩分摂取 / 非飲酒者 / 1剤のみの内服 / 臓器障害がない
など。上記にあてはまらない場合に休薬を推奨できるものではない。