Genpaku
Genpaku
医師向け診療サポート

全般不安症/全般性不安障害(GAD)の診療について

最終更新日時
参考ガイドライン
・文献等

概要

多数の出来事または活動に対する過剰な不安と心配が、起こる日のほうが起こらない日より多い状態が、少なくとも6か月間にわたる。

以下のうち3つ以上を伴う
(1)落ち着きのなさ、緊張感、または神経の高ぶり
(2)疲労しやすいこと
(3)集中困難、または心が空白になること
(4)易怒性
(5)筋肉の緊張
(6)睡眠障害
そもそも不安や心配は、危機的状況に際して生じる正常の心理的反応である。
GAD患者の不安は広範かつ非現実的であり、長期にわたって不安を制御することができず、社会的・職業的、または他の重要な領域における機能の障害をもたらす。

疫学

1年有病率は3~8%と言われている 。
発症は多くは青年後期か成人期早期であるが、症例として現れるのはより年長者であることが多い。

鑑別

まず、身体疾患として、甲状腺疾患、慢性肺疾患、心疾患、などの鑑別が必要。
次に、正常不安と病的不安の鑑別を。
併存疾患としては、社交恐怖、限局性恐怖症、パニック症、うつ病が多い。その他、気分変調症と物質関連障害とも関連してよくみられる。

問診

緊張性頭痛、振戦などの運動性緊張、ふらつき・発汗・頻脈・めまいなどの自律神経症状を伴ったり、身体疾患(片頭痛、過敏性腸症候群)に併存することも多いため、身体症状を訴えてプライマリケア医を受診する患者も
①    鑑別診断・併存疾患の評価
②    睡眠の評価
③    物質乱用の評価
④ 社会的・職業的、または他の重要な領域における機能の障害の評価

症状

「多数の出来事または活動に対する過剰な不安と心配」が、
「起こる日のほうが起こらない日より多い状態」が、少なくとも6か月間にわたる。
以下のうち3つ以上を伴う
(1)落ち着きのなさ、緊張感、または神経の高ぶり
(2)疲労しやすいこと
(3)集中困難、または心が空白になること
(4)易怒性
(5)筋肉の緊張
(6)睡眠障害

検査

血算・生化学、甲状腺機能検査、心電図、脳波等
貧血 ・肝機能障害・甲状腺機能低下症など念頭に
動悸ある場合、心電図で不整脈ないか精査
てんかんや器質性精神障害の鑑別に脳波検査を

治療

気分障害など他の精神疾患があれば、そちらの診断・治療が優先。精神療法、薬物療法、支持的アプローチを併用する。
精神療法:認知行動療法、支持的精神療法、筋弛緩法、バイオフィードバック、エクスポージャー法
薬物療法:
・SSRI
・ベンラファキシン(イフェクサー) 全般不安症と関連した不眠、集中力低下、落ち着きのなさ、焦燥感、過度の筋緊張の治療に有効
  →改善ない場合は精神科へ紹介
・ベンゾジアゼピン系抗不安薬やタンドスピロン 2-6週間で効果判定、効果不十分なら変更か併用 ※眠気に注意 ※BDZは依存形成に注意 
  →使用量が増えるようなら精神科へ

専門医紹介のタイミング

・精神疾患の併存がある
・薬物療法、特にベンゾジアゼピン系抗不安薬への依存傾向がある

ナレッジシェア

Genpaku公式ドクターのみが投稿できます
K K精神科
Verified
2021/7/22

高齢になると、身体疾患、身体機能の低下、喪失体験、死を意識する機会が増え、診断基準を満たさない不安症状を呈することも多い。このような体験が引き起こす不安・心配は“正常”なものであるという面もあるが、身体症状が優位となり頻回に受診をしたり、(家族も含め)日常生活に影響が大きい場合は、治療の対象となる。

精神科」のほかの記事

無断複写・転載を禁じております
利用規約
©Genpaku