Genpaku
Genpaku
医師向け診療サポート

攣縮性狭心症の診療について

最終更新日時
参考ガイドライン
・文献等

概要

本当に攣縮性狭心症なのかしっかり診断を。禁煙など行った上で薬物調整。

疫学

狭心症全体の約40%。器質性狭心症より比較的若い傾向。

リスク

喫煙、常習飲酒、脂質異常症、家族歴など

症状

  • 典型的には、夜間~明け方の安静時に発生する胸痛・胸部圧迫感。
  • 飲酒や喫煙、過呼吸で誘発されることがある。
  • 狭心症に伴い不整脈発作が出現している場合は失神がみられることもある。

検査

心電図:発作時の虚血変化と、硝酸薬による改善を確認
過換気負荷試験(活動性の低い方)

  • 血管作動薬を48時間以上中止
  • 早朝安静時に仰臥位で過換気(RR≧25回/minを目安)で6分間
  • 12誘導心電図で負荷中~負荷10分後まで観察
  • 発作や心電図変化見られた場合は中止

心筋シンチ

  • BMIPP心筋シンチ(感度71% 特異度88%と報告)
  • Tl心筋シンチ(運動あるいは過換気負荷でみる)
  • MIBG心筋シンチ

心臓カテーテルを用いた薬物負荷検査

  • Ach負荷
    • LCA 20▶50▶100μgを1分ごとに冠注して造影
    • RCA 20▶50μgを1分ごとに冠注して造影 (この際に徐脈になるので、一時ペースメーカを留置する)
  • エルゴノビン負荷
    • LCA、RCAそれぞれ20~60μgを徐々に投与(定まった基準はない)

診断

  • 自然発作時の心電図,Holter 心電図検査などで虚血変化を捉える
  • カテーテル検査や過換気負荷試験で陽性所見を捉える  

攣縮性狭心症の診断アルゴリズムの説明です。安静,労作,安静兼労作時の狭心症様発作で冠攣縮性狭心症を疑う場合(自然発作時の心電図, Holter 心電図検査などで)は、虚血性心電図変化陽性の場合は確定です。虚血性心電図変化境界のときは症状に関連した明らかな所見あるいは諸検査で認められるかどうかをみる。所見認められれば確定。そうでなければ疑い。虚血性心電図変化陰性または心電図検査非施行なら参考項目を満たすかどうかみます。硝酸薬により, すみやかに消失する狭心症様発作で,以下の4つの項目のどれか1つが満たされれば冠攣縮疑いとする.① とくに夜間から早朝にかけて、安静時に出現する.② 運動耐容能の著明な日内変動が認められる(早朝の運動能の低下).③ 過換気(呼吸)により誘発される.@Ca 拮抗薬により発作が抑制されるがβ遮断薬では抑制されない.
参照(1)より引用
*虚血所見陽性であって、かつ器質的狭窄のような他の要因であることを除外することが必要です。

治療

非薬物治療

  • 禁煙
  • 血圧・脂質・糖尿の管理
  • 節酒
  • ストレスの回避

薬物治療

  • 硝酸薬(頓用・長時間作用型いずれも。頓用は5分経過しても効果ないとき追加)
  • ニコランジル
  • Ca拮抗薬
  • 上記で効果不十分などのときファスジル・ビタミンE製剤・スタチン・エストロゲン製剤・ステロイドなども考慮

専門医紹介のタイミング

心電図の読影や侵襲的検査の施行検討などありますので疑った際にご紹介ください。

ナレッジシェア

Genpaku公式ドクターのみが投稿できます
白石 達也循環器内科
Verified
2021/4/29

鑑別など注意点

  • 安静時胸痛でも器質的狭窄がばっちりあることは多いのでもちろん器質的な狭窄の精査が必須です。
  • GERDは硝酸薬やCa拮抗薬で悪化します(括約筋が緩む)
  • びまん性の心機能低下患者を精査すると攣縮性狭心症がみつかることが。Ca拮抗薬で慢性期に心機能が回復したりします。

Ca拮抗薬について

白石 達也循環器内科
Verified
2021/4/30

難治性患者の加療選択肢

循環器内科」のほかの記事

無断複写・転載を禁じております
利用規約
©Genpaku