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手根管症候群の診療について

概要

最も頻度の高い単ニューロパチー。夜間、特に明け方に症状が増強する。

診療スライド

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スライドで診療に必要な情報をすばやく把握できます。
詳細については、下記のドキュメントを参考にしてください。

手根管とは、手根骨と横手根靭帯からなるトンネル状の空間であり、正中神経と屈筋腱がここを通過する。様々な要因により手根管で生じる正中神経障害の総称である。

疫学

最も頻度の高い単ニューロパチーである。ヨーロッパにおける有病率は約4%であり、女性は男性の3-10倍罹患しやすいとされる。(我が国における大規模調査は行われていない)

リスク

  • 肥満
  • 手関節の繰り返し運動
  • VDT作業
  • 更年期症候群
  • 関節リウマチ
  • 腱鞘炎の既往
  • 振動作業
  • 把持作業の多い仕事

症状

正中神経領域(母指、示指、中指および環視の橈側)のしびれや疼痛。
夜間、特に明け方に症状が増強するのが特徴。

身体所見

  • Phalenテスト
    • 手関節を30秒ほど90度に屈曲保持すると症状が増強する
  • Tinel徴候
    • 手根管上で正中神経の走行に沿ってタップ刺激を加えると、支配領域に刺激症状を感じる

検査

画像検査

  • 手関節MRI検査(参考
    • 手根管周囲の構造物による圧迫の有無を評価する

生理検査 

  • 神経伝導速度検査
    • 手根管部における局所性の神経伝導遅延の有無を調べる

治療

保存加療

  • 局所安静
    • (夜間)シーネ固定や手関節固定装具の使用。4-8週の着用期間を設ける。
  • 手根管内腱鞘内注射(ステロイド使用) 
    • 高い有効性の報告がある。ただし、屈筋腱損傷や正中神経障害に注意。

内服加療

  • 一般的にVit B12、NSAIDS、プレガバリンが処方されることが多いが、有効性の報告は不十分。

手術加療

  • 上記保存加療でも症状の改善が不十分な場合 / すぐに再燃してしまう場合
  • 母指球筋の萎縮が進行し手指の巧緻運動障害が生じてきた場合

に検討する。

  • 一般的に横手根靱帯の切開による症状改善の効果は高く、上記保存加療に勝る報告がある。
  • 長期間経過例では症状改善までに時間を要する場合に注意する。

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H T整形外科
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2021/7/10

診断

手根管については、しびれの領域をまず重視しています。頚椎症との鑑別や合併の可能性の評価が重要です。
検査は頚椎と手関節周囲のレントゲンくらいで、ファレンとチネルの身体所見が陽性で判断して内服加療など開始して、治療反応がいまいちならMRIなども撮像の上で手術を考慮したりします。

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