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急性大動脈解離の診療について

最終更新日時
参考ガイドライン
・文献等

概要

突発性の強い胸背部痛では必ず鑑別に挙げるべき緊急性が極めて高い疾患。診断あるいは疑った時点ですぐ専門医へ。

疫学

70歳代にピーク。男性に多い。

症状

  • 胸背部痛、失神、頚部痛など
  • 分枝血管の虚血症状(四肢痛・しびれ / 腹痛 / 脳虚血症状)
  • 血圧の左右差

診断

単純CTあるいは造影CTで診断
典型画像
単純CTの場合の注意点

治療

StanfordA大動脈解離では緊急手術(偽腔閉塞など一部保存加療考慮する可能性もある)
StanfordB大動脈解離では血圧と脈拍のコントロール(100<BP<120、HR<60を目標)、灌流障害有る場合はステントグラフトや外科的加療を。

専門医紹介のタイミング

診断した(あるいは疑った)時点ですぐ専門医へ。

さらに

  • 解離の範囲の確認を
  • 偽腔の血流状態(偽腔開存 / ULP / 偽腔閉塞)
  • 心臓合併症の確認
    • 聴診・心電図・エコーでの心臓合併症確認
    • 心嚢液貯留 / 大動脈弁閉鎖不全 / 心筋虚血
  • 治療の開始
    • 血圧< 120mmHg, 脈拍<60bpmを目指す
  • 冠動脈まで巻き込む症例もある 左冠動脈主幹部を巻き込んだ解離症例

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白石 達也循環器内科
Verified
2021/5/1

単純CT

単純CTでも解離した周囲が(炎症によるのか?)CT値がややあがってておやっ、となることがあります。

降圧薬

(血圧が高いとき)降圧薬はペルジピン 2mg iv→原液50mlとかで3mlスタート、BP>120で1ml/hr↑↑MAX 10ml/hr / BP<100 で1ml/hr↓↓ MIN OFFとかで指示出します。ミオコール追加時も同様にします(一方は流速固定しますが)

レートコントロール

レートコントロールにはオノアクト150mg+50%ブドウ糖液で 3ml/hrスタート、 HR>60で1ml/hr↑↑MAX 10ml/hr / HR<50 で1ml/hr↓↓ MIN OFFとかで指示します。
降圧薬もレートコントロールも初日は点滴でみて翌日から内服や貼付薬を考慮していきます。

エコーによる検査

エコーで、基部・弓部・下行部・腹腔からSMAやIMAくらいは見えたりします。 (http://www.jsvs.org/jsvs/pdf/19960506/jsvs_1996_0506_0751.pdf SMAPSV ≧275〜300cm/sで中等度以上の狭窄とかの基準は一応あります)

小鷹 悠二循環器内科
Verified
2021/5/1
  • 心筋梗塞を伴う事もあり、心筋梗塞患者を診察する際にも心エコーやレントゲン(安定していれば単純CT)等で大動脈解離の有無の評価は必要
  • 腹腔内動脈を巻き込んでいる場合には、腹痛等の症状が初発症状の事もあり、注意が必要
白石 達也循環器内科
Verified
2021/5/1

運動療法について

  • 慢性期の運動療法については、軽度〜中等度(3〜5Mets)の有酸素運動を1日30分以上/週150分以上を推奨されています。
  • 急激な胸腔内圧上昇を伴うような重量挙げなどは不可
  • 適切にリハビリをすることで、性生活や体重の50%程度までの重量物運搬は許容されるとガイドラインにも記載あります。

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