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心室中隔欠損(VSD)の診療について

最終更新日時
参考ガイドライン
・文献等

概要

Qp/QsやARの合併などに注意を

疫学

先天性心疾患のなかでもっとも頻度が高い(30%)

症状

  • 多くが無症状
  • 息切れ
  • 動悸
  • 易疲労感
  • ほか不整脈の出現時の精査でみつかる

身体所見

  • 視診・触診
    • 頚静脈波は心不全を認める場合に突出
    • 反跳脈:大動脈逸脱による大動脈閉鎖不全の合併を考慮
    • 第 3,第 4 肋間胸骨左縁にスリル(小欠損孔)
    • 第 2肋間胸骨左縁にスリルを触知し,時に左方や頚部に放散(漏斗部欠損)
    • 左室,肺動脈拍動を触知(中欠損)
  • 聴診
    • 胸骨左縁下部の高調性の汎収縮期雑音(中等度以上の膜様部欠損)
    • 胸骨左縁第 2~3 肋間の汎収縮期雑音(漏斗部欠損型)
    • 膜性部と同じ位置に汎収縮期雑音を聴取(中等度までの筋性部欠損)
      • 肺血流量が増えると心尖部にIII音と低調な拡張期流入性雑音を聴取(相対的僧帽弁狭窄).
    • I音,II音が亢進し肺動脈性駆出音を聴取(PH 合併)
      • PVR が高くなると収縮期後半が短縮し,Eisenmenger 症候群では収縮期雑音を認めず,無雑音あるいは肺動脈閉鎖不全の雑音(Graham Steel 雑音)のみを聴取することも
    • 汎収縮期と拡張早期雑音を聴取(大動脈弁閉鎖不全を合併する漏斗部欠損型)
      • 拡張期雑音は,高調で大動脈II 音に連続
    • 収縮期雑音は胸骨左縁第 3~ 4肋間が最強で、拡張期雑音は胸骨左縁中~下部が最強点(VSD)

検査

心電図

  • 右室肥大所見(PHの有無に注意)
  • 左室容量負荷所見(有意な左―右短絡(シャント)量や大動脈弁閉鎖不全の存在を考慮)

胸部 X 線

  • 肺血管陰影の拡大(PH の有無)や左房・左室の拡大(左室容量負荷)所見

心エコー検査(参考

  • 欠損孔の検出
  • 肺動脈圧の推定
  • 容量負荷程度(左室拡大,左房拡大,肺動脈拡張)
  • 膜性中隔瘤の有無
  • 大動脈逸脱や大動脈閉鎖不全、僧帽弁閉鎖不全などの有無
  • Qp/Qs推定

心臓CT
心臓MRI
肺血流シンチ PHの鑑別
心臓カテーテル検査

  • Qp/Qs測定や圧評価
  • PHある際はNO・O2・エポプレステノール負荷による可逆性確認

治療

  • PHを認めず,Qp/Qs > 1.5 かつ左室拡大がみられる場合は,外科的修復術を考慮
    • Eisenmenger 症候群ではない PH(Qp/Qs > 1.5)を認めた場合や肺動脈に可逆性を認める場合は手術を考慮
  • 円錐部(一部膜様部)欠損による大動脈弁逸脱・逆流が顕著で,進行性の場合や,圧較差 50 mmHg 以上の右室流出路狭窄を認める場合は手術を考慮
  • 観血的処置を行う際は感染性心内膜炎予防のため抗菌薬の投与(感染性心内膜炎のページ参照)

専門医紹介のタイミング

疑った時点で精査目的に紹介

さらに

  • 心室中隔欠損症の病院別手術件数一覧 - Caloo
  • 投薬治療による PH のコントロール下に短絡孔の閉鎖を行うといった治療の報告がみられるようになったが,長期的な成績は不明であり,術前・術後の薬物治療を加味した手術適応の明確な基準は存在しない

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