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心房細動の診療について

概要

一般的な不整脈。背景や併存疾患に応じて加療方法を検討。

診療スライド

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スライドで診療に必要な情報をすばやく把握できます。
詳細については、下記のドキュメントを参考にしてください。

疫学

  • 加齢とともに増加
    • 70歳代の1~3%
    • 80歳代の1~4%

リスク

  • 喫煙
  • アルコール消費
  • 尿酸
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 肥満
  • 睡眠呼吸障害
  • 心不全
  • 冠動脈疾患
  • 心臓弁膜症
  • 甲状腺機能異常

症状

  • 無症状(40~50%という報告も)
  • 動悸、息切れ、胸部症状
  • 検脈でirregularである

検査

  • 心電図(12誘導 / 24時間ホルター / モニタ / 携帯型)

P波がなく、基線が乱れて揺れたような状態となり、心室の興奮であるQRSの間隔が不整となる。(P波のように見えるものの形がregularである場合は心房頻拍や心房粗動のことも(心電図参考

  • 甲状腺機能(TSH、fT4)
  • 心エコー(弁膜症などないか)

治療

血行動態が破綻している場合

  • 血栓リスクを説明の上で電気的除細動を行う(R波同期下直流除細動)

抗凝固療法

  • CHADS2スコア1点以上であればDOAC推奨。ワルファリンも考慮可(PTINR 1.6-2.6を目指す)( CHADs2計算機)
    • 僧帽弁狭窄症・機械弁の場合はワルファリン(PTINR2.0−3.0を目指す)
    • 狭心症合併の場合は、慢性期であれば抗血小板薬から抗凝固薬の切り替え考慮

心拍数調整(レートコントロール)

  • 頻脈性の場合、安静時心拍数<110 bpmを目標にβ遮断薬・Ca拮抗薬・ジゴキシンの静注を
    • 心機能低下例(EF<40%):ランジオロール (1〜10μg/kg/分)/ ジゴキシンの静注(250mg静注) →経口薬へ
    • 心機能正常例(EF≧40%):Ca拮抗薬 / β遮断薬

洞調律維持療法(リズムコントロール)

  • 器質的心疾患がない持続48時間未満のAfに対してNaチャネル遮断薬は推奨される
    • (ピルシカイニド / シベンゾリン / プロパフェノン / フレカイニド静注→pill in the pocket療法など考慮)
    • (ピルシカイニド 100 mg ,フレカイニド 100 mg,プロパフェノン 150 mg,シベンゾリン 100 mg )
  • 48時間以上経過した心房細動では、3週間以上十分な抗凝固療法が施行されるか経食道エコーでの心房内血栓の否定が大事。

アップストリーム療法

  • 心機能低下や左室肥大を伴う高血圧にACE阻害薬やARB、β遮断薬を投与する

カテーテルアブレーション

専門医紹介のタイミング

  • 緊急時はもちろん、背景疾患の精査や侵襲的加療検討などの際に。

さらに

左心耳閉鎖デバイスについて

  • 長期的な抗血栓療法が推奨され,かつ出血リスクが高い症例(HAS-BLED スコア≧ 3,BARC 出血基準タイプ 3 出血の既往,DAPTが1年以上必要,転倒に伴う外傷に対し複数回の治療を必要とした既往,びまん性脳アミロイド血管症の既往)に考慮。
  • 実施施設一覧

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白石 達也循環器内科
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2021/5/8

レートコントロール

  • ワソラン5mg+生理食塩水20mlで希釈して緩徐に静注(50ml生理食塩水にして滴下するときもあります)
  • オノアクト150mg+5%ブドウ糖液50ml で1ml〜10ml/hr (体重50kgの場合)
  • 同時にビソノテープやメインテート内服なども開始することがあります。(静注薬の効果きれる〜内服・貼付薬の効果でるの時間差をなくしたいと思い)

リズムコントロール

  • サンリズム5mg+5%ブドウ糖液50mlで全量滴下(20mlとかにして緩徐に静注でもいいと思います)
  • シベノール70mg+5%ブドウ糖液50mlで全量滴下(20mlとかにして緩徐に静注でもいいと思います)
  • タンボコール5mg+5%ブドウ糖液50mlで全量滴下(20mlとかにして緩徐に静注でもいいと思います)
  • 心機能低下例や腎機能低下例でリズムコントロールはかりたい場合は、電気的除細動の前にシンビット使ってみることがあります。
    • シンビット50mg+5%ブドウ糖液50mlで希釈して20ml程度緩徐に静注

抗凝固療法について

  • 飲み忘れがおこるような人か?:一日一回内服ならイグザレルト・リクシアナ
  • きちんと飲み込める?ODのほうがいいか?:イグザレルトやリクシアナのOD
  • 出血イベントを起こす可能性がある?中和できたほうがいいか?:プラザキサ
  • 金銭的な余裕があまりなさそう:ワルファリン相談
  • また、一日二回内服グループのほうが出血などのイベントが少ないかも?という報告もあるので二回の薬も考慮しています。

CHADS2スコアと脳梗塞発症率

  • CHADS2スコアの2〜3倍(%)が年間脳梗塞発症率です

その他

  • 血圧低くてワソラン使うの心配みたいなときは、Ca製剤(カルチコールとか)を静注することで、Ca拮抗薬による陰性変力作用をカバーできうります。
  • 頻脈すぎてPSVTと見分けつかないときなどは必要に応じてATP(トリノシン10mg〜20mg をiv +生食でフラッシュ)で判断します

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