アレルギー性鼻炎（花粉症など）

花粉などのアレルゲン（アレルギーの原因物質）が鼻から体内に入り込み、粘膜に刺激を与えることで、アレルギーが引き起こされます。
それにより、くしゃみ・鼻水・鼻詰まり、涙・目のかゆみ・充血、皮膚のかゆみ、喉のかゆみなどの症状が起こります。

「鼻の構造が鼻炎の原因になっていないか」「鼻以外の病気が原因になっていないか」等を調べるため、鼻のレントゲン検査や内視鏡検査を行うことがあります。
また、各アレルゲンに対応する抗体の有無や量、アレルゲンへの反応の様子などを調べるため、血液検査を行う場合もあります。

アレルギー症状（鼻水や鼻づまり、目のかゆみやせきなど）が起こるのは、花粉やハウスダストが目や鼻に付着することで、ヒスタミンやロイコトリエンという物質が体内で放出されるためです。
アレルギー性鼻炎の治療では、これらの物質の働きを抑制して症状を抑える飲み薬や、患部に直接働きかけて症状を緩和する点鼻薬や点眼薬を用います。

花粉やダニの抗原を体内に投与していくことでアレルゲンに体を慣れさせる「舌下免疫療法」という治療法があります。
これにより、アレルギー反応が起こりにくい状態を長期にわたって実現できる可能性があります。

十分に効果をあげるためには、正しいやり方で長期的に治療を続けることが大切になります。

空気清浄機の使用によりハウスダストや花粉などの原因物質を減少できること、またそれによりアレルギー症状が一定の改善を見ることが報告されています。

緑茶などに含まれるカテキンによって鼻炎症状が改善したとの事例の報告等はあります。
また、乳酸菌の継続的な摂取で症状が改善したとの報告もありますが、効果は限定的なようです。

明確に効果が認められる食品や飲み物は、今のところないと言ってよいでしょう。

• 可能な限り、ペットと距離をとる
• 布張りのソファーや布製のカーペットをなるべく室内に置かない
• フローリングの部屋で飼育する
• 通気をよくし、室内の清潔を保つ

などの点に注意しましょう。

花粉情報をこまめにチェックし、飛散が多いときは

• 窓を閉める
• 外出を控える

といった対策を行いましょう。
また、やむを得ず外出する場合には、

• マスク・眼鏡を着用する
• けば立った上着の着用は避ける
• 帰宅時は、家に入る前に衣服や髪をよく払う
• 家に入ったら洗顔・うがいをし、鼻をかむようにする

といった対策を行いましょう。

日頃から部屋の清潔を保ちつつ、外から花粉を持ち込まない工夫が大切です。

• 掃除機かけを念入りに行う（1畳30秒ほど）
• 週に2回以上は部屋の掃除を行う
• 布張りのソファーや布製のカーペットを避けてフローリングにする
• 部屋の湿度を約45％、温度を20～25度に設定する
• 寝具の清潔を保つ

などを心がけ、いつも部屋を清潔にしておくようにしましょう。

レーザー治療を行うことで8割程度の患者の症状が緩和したとの報告があるなど、一定の効果は見込まれています。
ただし、根本的な治療のためにはアレルゲンとの接触を避けることが最も重要です。
アレルゲンを十分に断たないかぎり、せっかくレーザー治療を受けても再発する可能性が高い点には注意しましょう。