Genpaku
Genpaku
医師向け診療サポート

ショックへの対応の診療について

最終更新日時
参考ガイドライン
・文献等

概要

まず酸素投与、輸液して血管作動薬の使用を検討する。すぐに人を集めて専門医へ相談を。

ショックの早期認識

  • 一般的には収縮期血圧90mmHg未満がショックとされるが、
  • 絶対値にこだわらない
  • 普段の血圧から40mmHg以上低下している場合や、脈圧の低下にも注目する
  • 意識変容や起立性低血圧や冷汗、皮膚の網状皮斑を見逃さない
  • 乳酸アシドーシスを見た場合、ショックを考える

分類

血液分布異常性ショック

敗血症性ショック、アナフィラキシー、神経原性ショック、副腎クリーゼ、 粘液水腫性昏睡、薬物中毒など

血液量減少性ショック

出血、脱水

心原性ショック

心筋症、心筋梗塞、弁膜症、重症不整脈、心筋炎など

閉塞性ショック

緊張性気胸、肺塞栓、心タンポナーデ

初期対応

  • ABCを確認し、酸素投与、ルート確保(18Gで2ルート)、モニター装着、心電図、 エコー、採血(血液ガスを含む)、Xpオーダー
  • 原因検索を並行して行う(下記 RUSH exam参照)
  • 明らかな心原性ショックでなければ、下肢挙上し、 細胞外液500mlから1000mlを急速投与し反応をみる
  • 心原性ショックの場合、血行再建の適応を確認し、強心薬、IABP、PCPSの 使用を考慮する
  • 不整脈がある場合、ペーシングや除細動を考慮
  • 十分な輸液負荷にも関わらず血圧が保てない場合、血管作動薬の使用を考慮する
  • 出血が疑われる場合、造影CTや緊急内視鏡検査を考慮

原因検索 RUSH exam

  • RUSH exam (Rapid Ultrasound in Shock in the Evaluation of the Critically ill)を
  • 用いてショックの原因を"Pump" "Tank" "Pipes"に分類し、迅速かつ系統的に
  • スクリーニングする(参照:Ultrasound: In Shock and Hypotension)
  • Pump: 心臓エコーで心収縮能、心臓の大きさ、タンポナーデ、
    • 右心負荷所見などを確認する
  • Tank:  IVC、肺、腹部をチェック。 volumeと胸水、気胸、肺水腫、
    • 腹水などを確認する。
    • Pipes: 大動脈、下肢静脈をチェック 腹部大動脈瘤、大動脈解離、DVT

ショックの治療

原因に応じて、以下の治療を行う。

  • タンポナーデ:ドレナージ
  • 緊張性気胸:緊急脱気、胸腔ドレーン
  • 急性心筋梗塞:血行再建、IABP、PCPS
  • 敗血症:ソースコントロール、抗菌薬(投与前に可能なら培養採取)
  • 肺塞栓:血栓溶解療法、外科的血栓除去
  • 不整脈:電気ショックやペーシング
  • 副腎不全:ステロイド
  • 出血:輸血をしながら緊急止血

昇圧薬

投与量は、各病院規定の希釈法があれば、それに従う。

ノルアドレナリン

血液分布異常性ショックに好んで用いられる

  • 希釈例:ノルアドレナリン5mg (5ml) + 生食45ml
  • 投与量:0.05~1γ (体重50kgなら3ml/hr = 0.1γとなる)

ドパミン

ノルアドレナリンと比較して、催不整脈性があり使用場面が減っている。 具体的には徐脈ショック(特に右室梗塞)、神経原性ショック、頸動脈術後など

  • 希釈例:ドパミン300mg (15ml) +5%ブドウ糖85ml (0.3% 3mg/ml)
  • 投与量:1~20γ (体重50kgなら1ml/hr = 1γ)

アドレナリン

アナフィラキシーと心肺停止時に第一選択となる

  • アナフィラキシー:0.3mg筋注 必要に応じ、5分ごとに繰り返し投与
  • 心肺停止:1mg静注、3-5分ごとに繰り返し投与
  • ショック時(ノルアドレナリンに追加、ないし代用)
    • 希釈例:アドレナリン5mg (5ml) + 生食45ml
    • 投与量:0.02~0.3γ (体重50kgなら0.6~9ml/hr)

ドブタミン

低心拍出状態の心不全患者に適応

  • 心収縮を増大させるが、昇圧作用は弱い(患者によりまちまち)
  • 頻脈性不整脈を起こす可能性、また閉塞性肥大型心筋症で禁忌
    • ドブトレックスキット(600mg/200ml)
    • 投与量:1~20γ (低用量 0.5~2γから開始し、徐々に増量) (体重50kgなら1ml/hr = 1γ)

バゾプレシン

水の再吸収を抑制する抗利尿ホルモン

  • ノルアドレナリン抵抗性ショックに対して投与を考慮
  • 使用例:バゾプレシン
  • 希釈例:ピトレシン 3A (3ml = 60U) + 5%グルコース47ml
  • 投与量:0.01~0.03U/min (0.5~1.5ml/hr)

内科一般」のほかの記事

無断複写・転載を禁じております
利用規約
©Genpaku