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医師向け診療サポート

呼吸不全の診療について

最終更新日時
参考ガイドライン
・文献等

概要

まず人を集めて気道確保、酸素投与を最優先。すぐに専門医へ紹介を。

SpO2≦90%以下 / 室内空気呼吸時のPaO2が60mmHg以下となる呼吸機能の障害、またはそれに相当する異常状態
またCO2の状態より以下のようにわける
PaCO2≦45mmHgの場合:Ⅰ型呼吸不全
PaCO2>45mmHgの場合:Ⅱ型呼吸不全

初期対応

危険な兆候がないか評価

  • 頻呼吸や呼吸補助筋使用は危険なサイン!
  • 低酸素を代償していることがあり、酸素化だけで判断しない
  • stridorやwheezeなどの異常呼吸音を見逃さない


気道確保、酸素投与

  1. 下顎挙上し、必要なら口咽頭airwayや 鼻咽頭airway(nasalairway.wmv)使用し、 酸素投与
    1. (SpO295%程度保てるように。必要なら高用量酸素投与をためらわない)
  2. 気道閉塞を疑ったら即座に専門科コンサルトの上(耳鼻科・麻酔科、
  3. 呼吸器科、外科など)気道確保トライ。
    1. 緊張性気胸なら、トロッカー挿入を考慮
    2. 挿管困難、さらにマスク換気困難であれば、輪状甲状靱帯穿刺、切開考慮

4.気道閉塞がなければ改めてNPPVやnasal high flow使用、ないし気管挿管して人工呼吸管理を考慮

  • 並行してルート確保し、心電図、胸部レントゲン、心エコーなどを行う

挿管の適応

  • MOVESで覚える
    • Mental Status、Maintain airway
  • 意識状態が悪い(特にGCS8点未満)場合や、気道熱傷など、
    • 上気道閉塞リスクがある場合
    • Oxygenation
      • 低酸素、特に酸素飽和度を保つのにリザーバーマスクを必要とするような場合
    • Ventilation
      • 呼吸筋疲労で換気不全になっている場合
  • COPDや喘息ででNPPVを使ったが呼吸困難感や高CO2血症が
    • 改善しない場合
    • Expectoration(分泌物の喀出)、Expected course
  • 痰など分泌物を出せない、また今は大丈夫だが今夜にでも
    • 挿管が必要になりそうな場合
    • Shock
  • 循環動態が不安定で、高用量のカテコラミンや大量輸血、
    • 輸液などが必要になる場合

NPPV適応

  • 挿管をせずに、上気道から陽圧換気を行う方法を非侵襲的陽圧換気(NPPV)と呼ぶ。
  • MOVESのうち、OxygenetaionとVentilationのみに適応があり、それ以外は気管挿管すべき
  • 特に心不全やCOPD急性増悪などに良い適応である
  • 初期設定の1例、bilevel PAP
    • モード:S/Tモード
    • EPAP: 4-5cmH2O
    • IPAP: 8-15cmH2O
    • トリガー:最大感度
    • バックアップ呼吸数:15回/min
    • バックアップI:E: 1:3
  • NPPV禁忌(気管挿管を検討すべき)
    • 自発呼吸がない
    • マスクがフィットしない(顔面の外傷、変形)
    • 気道閉塞
    • 誤嚥リスクが高い
    • 分泌物過多
    • 意識障害や不穏で協力が得られない
  • 状態が不安定(血行動態不安定、コントロールされない不整脈、重症消化管出血など)
    • 最近の上気道ないし上部消化管手術
    • 長期間の人工呼吸管理が予想される

鑑別

  • 心不全、肺炎、ARDS、肺塞栓、肺気腫
  • 無気肺、肺動静脈奇形、肺動脈圧上昇時の卵円孔開大及び心房中隔欠損
  • 間質性肺炎、心不全による間質の浮腫
  • オピオイド過剰投与、神経筋疾患、喘息発作、COPD急性増悪、肥満低換気症候群

参考


重症患者管理マニュアル(平岡栄治、則末泰博、藤谷茂樹著)

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