Genpaku
Genpaku
医師向け診療サポート

低カリウム血症の診療について

最終更新日時
参考ガイドライン
・文献等

概要

3.5mEq/L以下の状態。症状、心電図変化と合わせて補充速度を考える。

症状

  • 筋力低下:軽度の脱力感から四肢麻痺まで程度はさまざま。
  • 細胞障害から横紋筋融解を起こすことがある。
  • 心電図異常:QT延長や房室ブロック、S-Tの低下、T波の平定化、
  • U波が出現する。期外収縮や心室性不整脈を起こす危険な病態である。一般的にはK<2.5mEq/Lとなった時に出現しやすい。(参考:心電図クイズ

鑑別

  • 食事からの摂取低下
  • refeeding症候群、下痢、嘔吐、胃液ドレナージ
  • 腎臓からの再吸収低下
    • アルドステロン活性上昇、利尿薬、尿細管性アシドーシス1型、2型、
  • 低Mg血症(尿中K排泄が亢進するため)
  • 細胞内への移行亢進
    • インスリン、低体温療法、甲状腺機能亢進症
  • 薬剤性
    • ビタミンB12
    • G-CSF製剤
    • β刺激薬
    • アドレナリン
    • 利尿薬(ループ利尿薬、サイアザイド利尿薬、アセタゾラミド)
    • 抗生剤(ペニシリン、アムホテリシン、アミノグリコシド系抗生剤)
    • 甘草(偽性アルドステロン症を来す)
  • 家族性周期性四肢麻痺

検査

  • Creなど腎機能検査
  • 24時間蓄尿あるいは随時尿中K濃度を測定
    • 20mEq/L未満の場合 腎外性(摂取量不足、消化管からの喪失、細胞内への移行)
    • 20mEq/L以上の場合 腎性 を疑う。 
  • 腎性で、高血圧があればレニン、アルドステロンの異常を考える
  • 腎性で、高血圧がなければ、尿細管性アシドーシスや、利尿薬使用、Bartter/Gitelman症候群を疑う

治療

Mgの補充:※腎機能障害がある場合、高Mg血症に注意する

  • 緊急時:マグネゾール(1A中にMg 16.2mEq)0.5~1Aを2~15分で投与
  • 循環が安定している時:マグネゾール1Aを5%ブドウ糖液100mlに溶かし、30~60分で滴下
  • 非緊急時:経口補充または硫酸Mg 4~8gを12-24時間かけて投与

Kの補充:

K 3mEq/l未満

  • 経口:30~40mEq内服
    • アルカローシスがある場合:塩化カリウム
    • アシドーシスがある場合:L-アスパラギン酸カリウムと塩化カリウム
  • 経静脈:30~40mEqを2~4時間かけて投与する

K 3~3.5mEq/L

  • 経口:20mEq内服
  • 経静脈:20~30mEqを1-2時間で投与

(参考)各製剤の含有量:

  • スローケー 1錠 8mEq
  • グルコン酸K 1錠 4mEq
  • アスパラカリウム 1錠 1.8mEq

(参考)輸液の組成例

  • 生食 500ml+KCL 20mEqを1時間以上かけて投与(末梢)
  • 生食 100ml+KCL 10~20mEqを1時間かけて投与(中心静脈。ただしICUなどで細かくモニタリングができる時に限る)

ナレッジシェア

Genpaku公式ドクターのみが投稿できます
宮村 智裕内科一般
Verified
2021/5/16

入院の判断

  • 症状や心電図変化ある場合
  • 2.5 mEq/L以下のとき(変化がなくてもいきなりvfとか起こす事があるので)

内科一般」のほかの記事

無断複写・転載を禁じております
利用規約
©Genpaku