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医師向け診療サポート

失神の診療について

概要

「一過性の意識消失の結果,姿勢が保持できなく なり,かつ自然に,また完全に意識の回復が見られること」 →遷延している場合、意識障害として対応

鑑別

起立性低血圧による失神 

自律神経障害:多系統萎縮,Parkinson病,レビー小体型認知症,糖尿病,アミロイドーシス,尿毒症,脊髄損傷 
薬剤性:アルコール,血管拡張薬,利尿薬,フェノチアジン, 抗うつ薬 
循環血液量減少 出血,下痢,嘔吐等 

反射性(神経調節性)失神 

感情ストレス
状況失神 (1)咳嗽,くしゃみ (2)消化器系(嚥下,排便,内臓痛) (3)排尿(排尿後) (4)運動後 (5)食後 (6)その他(笑う,金管楽器吹奏,重量挙げ) 
頸動脈洞症候群

心原性(心血管性)失神

徐脈性不整脈、頻脈性不整脈、心筋梗塞、心臓腫瘤、高度弁膜症、肺塞栓、肺高血圧、大動脈解離

ほか、脳底動脈のTIAなど

問診

  • 足腰が弱っていないか
  • アルコールの摂取や降圧薬の内服はないのか?
  • 水分摂取量は適正か?
  • 何かきっかけはあるのか?:立った時 食事中 排尿や排便後 咳嗽 首を捻ったとき
  • ほかの症状はないのか?
    • 胸痛など胸部症状
    • 首や肩の痛み
    • 吐血や下血
    • 下腿浮腫 など 
  • 既往歴の確認
    • 自律神経障害
    • 心血管疾患 など

身体所見

バイタルの確認
 ・低血圧や低酸素、徐脈などある場合、その精査を行う。
心音聴取
 ・収縮期雑音ないか(大動脈弁狭窄症など)
直腸診の考慮

検査

  • 心電図(ST変化・洞不全・房室ブロック・NSVT・QT間隔の異常などないか)
  • 心エコー(器質的心疾患の確認)
  • 採血 電解質 D-dimer H b  BUN / Cre 
  • MRAの考慮

対処

心疾患など→専門科紹介、各疾患に準ずる
心疾患など可能性がある場合→循環器内科など専門科紹介

起立性低血圧や血管迷走神経反射の場合

・原因の可能な限りの除去
  ・急な起立を避ける
  ・脱水の回避、飲酒や過食の回避
  ・誘引となる内服の中止検討
・立位トレーニング 
・弾性ストッキング
・食塩補給(塩分10g/day)や鉱質コルチコイド(フルド露骨リゾン0.02~0.1mg/day 分2~3)
・昇圧薬(α刺激薬:塩酸ミドドリン4mg/day分2 塩酸エチレフリン15~30mg/day 分3)

専門医紹介のタイミング

・心疾患など器質的異常が疑われる場合、原因がはっきりしない場合
 ・精査:ホルター、ループレコーダー、EPS、ティルト試験、脳波試験など

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白石 達也循環器内科
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2021/7/4

初期対応

意識が回復していると安心せずに、バイタル確認・モニタリング、心疾患除外の心電図を素早く。
バイタルに異常ある際は各バイタル異常に準じて対応。

問診について

・何年も前からあるような場合、進行性の心臓疾患の可能性は低まるかなと考えます。
・顎の痛みで失神という人がいましたが、心筋梗塞ではなく、なんと喉頭癌がありそれによって失神の反射が起こっていました。(参考症例
・Hbに変化はなかったものの、黒色便があり、胃カメラをすると出血性胃潰瘍が有る方がいらっしゃいました。出血の瞬間に血圧が下がって失神していたのではないか、という方でした。

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