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高カリウム血症の診療について

最終更新日時
参考ガイドライン
・文献等

概要

血液ガスや心電図確認し緊急性を判断。心電図異常など有る際は専門医をすぐ呼びましょう。

診療スライド

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スライドで診療に必要な情報をすばやく把握できます。
詳細については、下記のドキュメントを参考にしてください。

初期対応

緊急性の評価

  • K≧7mEq/L

あるいは

  • しびれや脱力症状がある
  • 心電図変化をきたしている (心電図変化の参考 急速な上昇の場合は5.5〜6mEq/Lでもありうる。徐脈になっている場合は失神やふらつきを主訴とすることもある)

緊急性ある場合の処置

心電図変化への対処

  • グルコン酸カルシウムiv
  • 徐脈になっている場合は経皮ペーシングや経静脈的ペーシングを行う。
  • 緊急血液透析

その準備(ブラッドアクセス留置や回路準備)の間に下記を

血清K濃度を低下する

  • β刺激薬吸入 ベネトリン®10-20㎎を生食 5-10mlに溶かし吸入
  • Glucose-Insulin療法速効型インスリン 5単位+50%ブドウ糖 50mlを ゆっくり静注(血糖値は先に測定、低血糖ないか注意)
  • アシドーシスの補正(重炭酸イオン補充)

Kを体外へ排出させる治療

  • 利尿薬(フロセミド 20-40mg i.v 脱水ないか確認)
  • イオン交換樹脂内服 or 経腸投与(即効性はない)

緊急性がない・脱した後 (K<7mEq/Lで心電図変化や症状ない)

血清カリウム濃度を低下

  • β刺激薬吸入 ベネトリン®10-20㎎を生食 5-10mlに溶かし吸入
  • Glucose-Insulin療法速効型インスリン 5単位+50%ブドウ糖 50mlを ゆっくり静注→インスリン5単位+5%ブドウ糖液500mlを40ml / hr(血糖測定する)
  • アシドーシスの補正(重炭酸イオン補充)
  • Kを体外へ排出させる治療
    • 利尿薬(フロセミド 20-40mg i.v 脱水ないか確認)
    • イオン交換樹脂内服 or 経腸投与

鑑別

偽高K血症

  • 検体取得時の溶血(LDHやASTも上昇、また溶血コメントなど確認。再検査検討)
  • 血小板増多(75万/ml以上)や白血球増多(7.5万/ml以上)の場合。K上昇する(ヘパリン採血でやりなおす)
  • 家族性偽高カリウム血症

Kの細胞外シフト

  • 薬剤性(ジギタリス / β遮断薬)
  • 代謝性アシドーシス
  • インスリン欠乏
  • 高カリウム性周期性四肢麻痺
  • 絶食
  • 運動

K摂取の過剰

  • 外因:摂取過多(カリウム製剤・輸液・輸血 / 果物 / 生野菜 )
  • 内因:筋融解 / 腫瘍細胞の破壊(化学療法時等) / 消化管出血(赤血球内のカリウム吸収)

Kの排泄障害

  • 腎機能低下:急性、慢性腎不全
  • 皮質部集合管(腎におけるカリウム排泄部位)へのNa到達量の低下:極端な塩分制限、心不全、肝硬変、脱水など

アルドステロン作用低下:低レニン性低アルドステロン / 副腎不全 / 遺伝的酵素欠損

  • 薬剤性(ACE阻害薬、ARB、抗アルドステロン薬、直接的レニン阻害薬、ST合剤など)
  • アルドステロンに対する尿細管反応低下:Gordon症候群

検査

  • 再検査(溶血などある場合。AST LDHも参考に)
  • 血小板・白血球(増多症ないか)・赤血球(出血による低下ないか)
  • 血液ガス分析
  • CK 
  • Cre
  • BNPや心エコー、胸部レントゲン
  • 尿中K
  • (消化管出血を念頭に)便潜血検査や直腸診。

など。内服歴や運動・食事歴の確認も。
腎不全については「慢性腎不全(CKD)」のページも参考

治療

*緊急時は初期対応の項参照

  • 原疾患の治療
  • 誘因の除去(食事や点滴の調整 / 内服薬の調整)
  • カリウム吸着薬の使用
    • アーガメイト
    • カリメート
    • ケイキサレート
    • ロケルマ

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白石 達也循環器内科
Verified
2021/5/15

初期対応について

緊急時は大体心電図変化あるので

  • グルコン酸Ca(カルチコール8.5% 5ml ☓1〜2A)静注する。一時的に心電図はもどる。
  • 透析の準備(ブラッドアクセス留置、透析室やMEさんへの連絡)をしている間はGI療法や
  • 徐脈を来す変化を生じていた場合は、一時的ペースメーカーを留置してます。

心電図変化ない場合は、モニタリングしつつ、

  • β刺激薬吸入 ベネトリン10-20㎎を生食 5-10mlに溶かし吸入
  • Glucose-Insulin療法速効型インスリン 5単位+50%ブドウ糖 50mlを 静注→インスリン5単位+5%ブドウ糖液500mlを40ml / hr
  • ラシックス20mg 静注 6時間毎

とかで4〜6時間毎にKをフォローしてます。腎不全あって反応尿とか乏しい場合はあまり粘らないで透析をすることも多いですね。

  • 原因は多くの場合、腎不全をベースに薬剤や摂取過多で起こる&徐脈で余計に腎不全(徐脈と腎不全のどちらが先かわからないことが多い)などです。
匿名腎臓内科
Verified
2021/5/15
  • 消化管出血が原因になるときもあります。この場合は急性期はカリウム除去フィルター使いつつ輸血で、内視鏡検査タイミングは消化器内科医と相談です
  • 絶食の人は高カリウムになることがあります。(ブドウ糖を取り込むことによる細胞内への移動が減るから。)低血糖を認めた場合きちんとブドウ糖を。
  • ロケルマは消化器系の副作用がなく、透析患者だと非透析日に1回など良い点も多いですがいかんせん薬価が高い。

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